行政書士のメリット・デメリットを正直に解説
行政書士の資格取得を検討しているなら、メリットだけでなくデメリットも知ったうえで判断すべきです。「やめとけ」「意味ない」という声もありますが、実態はどうなのか。この記事では行政書士のメリット5つとデメリット3つを正直に解説し、取得する価値があるかを総合的に判断します。
行政書士のメリット5つ
メリット1:受験資格に制限がなく誰でも挑戦できる
行政書士試験は学歴・年齢・実務経験の制限がありません。高卒でも、主婦でも、定年後のシニアでも受験できます。行政書士の受験資格で詳しく解説していますが、法律系資格の中でも門戸が広いのが特徴です。
弁護士(法科大学院修了が原則必要)や税理士(学歴要件あり)と比べると、スタートラインのハードルが大幅に低いです。
メリット2:独立開業がしやすい
行政書士は自宅の一室でも開業できるため、初期費用が少なくて済みます。行政書士の開業で解説しているとおり、自宅開業なら30〜40万円で始められます。
弁護士や司法書士と比べても開業のハードルは低く、副業として始めることも可能です。行政書士の副業として活動すれば、リスクを抑えながら実務経験を積めます。
メリット3:業務範囲が非常に広い
行政書士が扱える書類は1万種類以上あり、業務範囲の広さは士業の中でもトップクラスです。建設業許可、入管業務、相続、会社設立、補助金申請など、多様な分野で活躍できます。
行政書士の仕事内容で紹介しているとおり、自分の興味やキャリアプランに合わせて専門分野を選べる自由度の高さがメリットです。
メリット4:法律の知識が実生活に役立つ
行政書士試験で学ぶ民法・行政法の知識は、日常生活でも役立ちます。契約書の内容を理解できるようになる、相続トラブルを未然に防げる、行政手続きを自分でスムーズに行えるなど、資格を取らなくても学習自体に価値があります。
メリット5:他の資格へのステップアップになる
行政書士で学ぶ憲法・民法・行政法の知識は、司法書士や社労士などの上位資格に挑戦する際の土台になります。行政書士のダブルライセンスで解説しているとおり、行政書士を起点にキャリアを広げる選択肢は豊富です。
行政書士のデメリット3つ
デメリット1:合格率が低く、簡単には取れない
行政書士の合格率は10〜14%で推移しており、決して簡単な試験ではありません。行政書士の勉強時間は600〜1,000時間が目安で、働きながら半年〜1年の学習期間が必要です。
「手軽に取れる資格」というイメージで始めると、想像以上の難易度に挫折する人も少なくありません。
デメリット2:資格を取っただけでは稼げない
行政書士の資格を取得しても、自動的に仕事が来るわけではありません。行政書士の需要はあっても、集客力や営業力がなければ収入につながりません。
特に開業の場合、「書類作成のスキル」と「経営者としてのスキル」は別物です。マーケティング、営業、顧客管理、経理など、資格とは直接関係ないビジネススキルが求められます。
デメリット3:登録・維持にコストがかかる
行政書士として活動するには、行政書士会への登録が必要です。登録費用は約25〜30万円、年会費は約6〜8万円がかかります。
資格を維持するだけでも毎年数万円のコストが発生するため、「取ったけど使わない」状態ではただの出費になります。登録するかどうかは、実際に業務を行う予定があるかどうかで判断しましょう。
「やめとけ」と言われる理由への反論
ネット上で「行政書士はやめとけ」と言われる主な理由に対して、データに基づく反論を示します。
「AIに仕事を奪われる」への反論: 行政書士の将来性で分析しているとおり、単純な書類作成はAIに代替される可能性がありますが、クライアントへのコンサルティングや行政庁との折衝はAIには代替できません。
「食えない」への反論: 全行政書士の平均年収が低いのは事実ですが、専門分野を持つ開業行政書士は年収600〜1,000万円を達成している人も珍しくありません。「食えない」のは資格の問題ではなく、戦略の問題です。
「登録者が多すぎる」への反論: 登録者数は約5万人ですが、弁護士約4.5万人、税理士約8万人と比べて特別多いわけではありません。また、入管業務や補助金申請など需要が拡大している分野では、まだ供給が追いついていません。
行政書士の資格を取るべき人・取るべきでない人
取るべき人:
- 法律に興味があり、専門知識を活かした仕事がしたい人
- 独立開業を目指している人
- 副業として収入源を増やしたい人
- ダブルライセンスのステップとして考えている人
- 外国人支援や相続コンサルに興味がある人
取るべきでない人:
- 「資格を取れば安泰」と考えている人
- 営業・集客活動をしたくない人
- 短期間で簡単に取れると考えている人
- 会社員として安定収入を最優先する人(勤務型行政書士の年収は会社員と同程度)
まとめ
行政書士は「誰でも受験でき、開業しやすく、業務範囲が広い」というメリットがある一方、「合格率が低く、資格だけでは稼げず、維持コストがかかる」というデメリットもあります。総合的に見ると、専門分野を持ち、積極的に営業する覚悟がある人にとっては取得する価値のある資格です。まずは行政書士の難易度を確認し、自分に合っているか判断しましょう。