行政書士ガイドのモジュール

行政書士の仕事内容は?3つの独占業務と1日の流れ

行政書士の仕事内容は「官公署に提出する書類の作成」が中心ですが、実際にはその範囲は非常に広く、扱える書類は1万種類以上にのぼります。この記事では行政書士の3つの独占業務、代表的な業務分野、勤務型と開業型の違い、1日のスケジュール例を具体的に解説します。

行政書士の3つの独占業務

行政書士法で定められた独占業務は3つあります。

1. 官公署に提出する書類の作成(1条の2第1項) 行政書士の最も基本的な業務です。国や地方公共団体の機関に提出する許認可申請書類を作成します。具体的には建設業許可、飲食店営業許可、風俗営業許可、農地転用許可、外国人のビザ申請などが該当します。

2. 権利義務に関する書類の作成(1条の2第2項) 契約書、遺言書、遺産分割協議書、内容証明郵便、示談書など、権利義務の発生・変更・消滅に関する書類を作成します。弁護士法に抵触しない範囲で、当事者間の権利関係を整理する書類が対象です。

3. 事実証明に関する書類の作成(1条の2第2項) 財務諸表、会計帳簿、各種議事録、実地調査に基づく図面など、事実を証明する書類を作成します。

これらの業務は行政書士(または弁護士)以外が報酬を得て行うことは法律で禁止されており、違反すると罰則があります。

代表的な業務分野6つ

行政書士の実際の業務は、以下の6分野に大別されます。

分野1:建設業関連 建設業許可の申請・更新は行政書士の代表的な業務です。許可の新規取得から5年ごとの更新、経営事項審査(経審)まで継続的な業務が発生するため、安定した収入源になります。

分野2:外国人の在留資格(入管業務) 外国人の就労ビザ、永住許可、帰化申請などの入管業務は、近年最も需要が伸びている分野です。2026年現在、外国人労働者の増加に伴い、行政書士の需要も拡大しています。

分野3:相続・遺言 遺言書の作成支援、遺産分割協議書の作成、相続人調査、相続関係説明図の作成など。高齢化社会の進展で需要が増加している分野です。

分野4:会社設立・法人関連 定款の作成、各種届出書類の作成を行います。電子定款認証に対応している行政書士は、印紙税4万円を節約できるためクライアントに喜ばれます。

分野5:自動車関連 自動車の登録・名義変更・車庫証明の取得。件数が多く単価は低めですが、ディーラーからの継続的な依頼が見込めます。

分野6:補助金・助成金申請 事業再構築補助金、ものづくり補助金、各種助成金の申請書類を作成します。着手金+成功報酬のモデルで高単価が期待できる分野です。

勤務行政書士と開業行政書士の違い

行政書士の働き方は大きく2つに分かれます。

| 項目 | 勤務行政書士 | 開業行政書士 | |------|-----------|-----------| | 勤務先 | 行政書士事務所・法人 | 自分の事務所 | | 年収 | 350〜500万円 | 400〜800万円(幅広い) | | メリット | 安定収入、実務経験を積める | 自由度が高い、高収入の可能性 | | デメリット | 収入に上限がある | 集客・経営の責任がすべて自分 | | 向いている人 | 実務未経験で学びたい人 | 独立志向が強い人 |

行政書士の年収で詳しく解説していますが、年収は働き方と専門分野によって大きく変わります。開業行政書士は収入の天井がない反面、集客に失敗すれば年収200万円台もあり得る世界です。

行政書士の1日のスケジュール例

開業行政書士の典型的な1日を紹介します。

午前(9:00〜12:00):

午後(13:00〜18:00):

勤務行政書士の場合は、事務所の指示に従って書類作成や調査を担当します。開業行政書士は営業・相談対応・書類作成・提出のすべてを自分で行うため、マルチタスクの能力が求められます。

行政書士にしかできないこと・できないこと

行政書士の業務範囲を正しく理解するために、「できること」と「できないこと」を整理します。

行政書士にできること:

行政書士にできないこと:

他の士業との業務の棲み分けを理解することは重要です。行政書士と司法書士の違いも参考にしてください。

まとめ

行政書士の仕事内容は、許認可申請・権利義務書類・事実証明書類の3つの独占業務を中心に、建設業・入管・相続・会社設立など幅広い分野に及びます。勤務型で実務経験を積んでから開業する道もあれば、最初から開業する道もあります。自分のキャリアプランに合わせて行政書士の開業の準備を進めましょう。

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