行政書士と宅建の違いは?難易度・年収・ダブルライセンスを比較
行政書士と宅建士(宅地建物取引士)はどちらも人気の国家資格ですが、業務内容・難易度・年収は大きく異なります。「どちらを先に取るべきか」「両方取る意味はあるのか」と迷う人も多いです。この記事では両資格の違いを5つの観点で徹底比較し、最適な選び方を解説します。
行政書士と宅建の業務内容の違い
両資格の最大の違いは業務領域です。
行政書士は官公署に提出する許認可申請書類の作成が中心です。建設業許可、外国人のビザ申請、相続関連書類、会社設立書類など、扱える書類は1万種類以上にのぼります。行政書士の仕事内容で詳しく解説しています。
宅建士は不動産取引における重要事項説明と契約書への記名が独占業務です。不動産の売買・賃貸の仲介業務に必須の資格であり、不動産会社には従業員5人に1人以上の宅建士の設置が法律で義務づけられています。
要約すると、行政書士は「許認可のプロ」、宅建士は「不動産取引のプロ」です。
試験難易度の違い
両資格の試験難易度には明確な差があります。
| 比較項目 | 行政書士 | 宅建士 | |---------|---------|--------| | 合格率 | 10〜14% | 15〜17% | | 必要勉強時間 | 600〜1,000時間 | 300〜500時間 | | 試験科目 | 法令5科目+一般知識 | 権利関係・宅建業法・法令上の制限・税 | | 試験形式 | 択一+記述式 | 四肢択一のみ(50問) | | 合格基準 | 180点/300点(絶対評価) | 約35点/50点(相対評価) |
行政書士の難易度は宅建士の約2倍とされています。特に行政書士には記述式問題があり、択一式だけの宅建士と比べて対策の幅が広がります。
ただし、宅建士も決して簡単ではありません。合格率15〜17%は「5人に1人しか受からない」ことを意味します。
年収・収入の違い
年収面でも両資格には違いがあります。
行政書士の年収:
- 勤務型:350〜500万円
- 開業型:400〜800万円(専門分野により1,000万円超も)
- 行政書士の年収で詳しく解説
宅建士の年収:
- 不動産会社勤務:400〜600万円
- 独立開業:500〜1,000万円(取引件数次第)
- 資格手当:月1〜3万円が一般的
宅建士は不動産会社に勤務すれば資格手当が支給されるため、「資格を取ったらすぐに年収が上がる」という即効性があります。一方、行政書士は独立開業してこそ真価を発揮する資格です。
重要なのは、どちらの資格も「持っているだけ」では高年収にはなれないことです。行政書士なら専門分野での営業力、宅建士なら営業成績が年収を左右します。
どちらを先に取るべきか?判断基準
資格選びで迷ったら、以下の基準で判断してください。
宅建士を先に取るべき人:
- 不動産業界で働いている、または転職したい人
- まず「取りやすい資格」で成功体験を得たい人
- 資格手当で年収をすぐに上げたい人
- 学習時間が300〜500時間しか確保できない人
行政書士を先に取るべき人:
- 将来的に独立開業を目指している人
- 許認可ビジネスに興味がある人(建設業・入管・相続)
- 法律の専門知識を幅広く身につけたい人
- 行政書士の副業として活動したい人
迷っている場合は、難易度の低い宅建士から始めるのが王道です。宅建士で学ぶ民法の知識は行政書士試験にもそのまま活きるため、ステップアップの流れが自然です。
ダブルライセンスの相乗効果
行政書士と宅建士のダブルライセンスは、不動産関連の業務で強力な相乗効果を発揮します。
ダブルライセンスで広がる業務:
- 農地転用許可(行政書士)+ 不動産売買の仲介(宅建士)
- 相続関連書類の作成(行政書士)+ 相続不動産の売却支援(宅建士)
- 開発許可申請(行政書士)+ 開発用地の取引(宅建士)
行政書士のダブルライセンスでも紹介していますが、宅建士は行政書士との相性が非常に良い資格です。
科目面では民法が重複するため、一方の試験で学んだ知識が他方に活かせます。行政書士合格者が宅建士を目指す場合、追加の学習時間は200〜300時間程度で済むケースが多いです。
まとめ
行政書士と宅建士は「許認可 vs 不動産」という業務領域の違いが根本にあります。難易度・年収・キャリアパスも異なるため、自分の目標に合った資格を選ぶことが重要です。迷ったらまず宅建士から取得し、その後で行政書士にステップアップする戦略がおすすめです。行政書士を目指すなら行政書士通信講座おすすめ比較を参考にしてください。