行政書士の足切りとは?基準点と回避する対策を解説
行政書士試験には「足切り」と呼ばれる科目別の基準点があります。たとえ総合点が180点を超えていても、法令科目または一般知識が基準点未満なら不合格です。この記事では足切り制度の仕組み、足切りに引っかかりやすい科目、確実に回避するための具体的な対策を解説します。
行政書士試験の足切り制度とは
足切りとは、特定の科目群で最低限の点数を取れなければ、総合点に関係なく不合格になる制度です。
行政書士試験には2つの足切り基準があります。
| 科目群 | 満点 | 足切りライン | 必要正答率 | |--------|------|------------|-----------| | 法令科目 | 244点 | 122点以上 | 50%以上 | | 一般知識 | 56点 | 24点以上 | 約43%以上 |
法令科目の足切り(122点)は、まじめに勉強していれば通常クリアできます。問題は一般知識の足切り(24点)です。14問中6問以上の正答が必要ですが、出題範囲が広く対策が難しいため、毎年多くの受験生がここで涙をのんでいます。
行政書士の合格ラインで合格基準の全体像を解説していますが、足切りは合格戦略を立てるうえで最初に理解すべき仕組みです。
一般知識で足切りにかかる人の特徴
一般知識の足切りにかかる受験生には、共通するパターンがあります。
パターン1:法令科目に時間を使いすぎて一般知識を後回しにした 行政法と民法の学習に追われ、一般知識の対策を試験直前まで放置するケースです。一般知識は「なんとかなる」と甘く見て、結果的に5問以下しか正答できず不合格というのが典型的な失敗パターンです。
パターン2:政治・経済・社会の時事問題に頼りすぎた 政治・経済・社会の時事問題は予測が難しく、対策のコスパが悪い分野です。ここに時間を投入しても安定した得点は見込めません。
パターン3:文章理解を軽視した 文章理解は3問出題され、法律知識不要で対策可能な「確実に取れる」分野です。ここを落とすと足切り回避が一気に厳しくなります。
一般知識の足切りを確実に回避する3つの対策
足切り回避の戦略は明確です。以下の3つを実行してください。
対策1:文章理解で3問全問正答を目指す
文章理解は現代文の読解問題です。要旨把握・空欄補充・文章整序の3パターンで出題されます。公務員試験の文章理解の問題集で練習すれば、安定して3問中3問を正答できるようになります。
具体的な解き方のコツとしては、選択肢を先に読んでから本文を読む「選択肢先読み法」が効率的です。1問あたり5分を目安に解く練習をしましょう。
対策2:情報通信・個人情報保護法で2〜3問を確保する
この分野は出題範囲が比較的狭く、過去問の傾向がつかみやすいです。個人情報保護法の条文を一通り読み、情報通信に関する基本用語(クラウド、IoT、AI、ブロックチェーン等)を押さえておけば2問は取れます。
2026年現在、デジタル庁関連の施策やマイナンバー制度に関する出題が増加傾向にあります。
対策3:政治・経済・社会は深追いしない
この分野は7問程度出題されますが、的を絞った対策は困難です。新聞やニュースで時事問題を日常的にチェックする程度にとどめ、1〜2問の正答を目標にしましょう。ここに勉強時間を大量投入するのは非効率です。
この3つの対策で、文章理解3問+情報通信2問+政治経済1問=6問(24点)の足切りラインをクリアできます。
法令科目の足切りを回避する方法
法令科目の足切り(244点中122点)は、一般知識ほど恐れる必要はありません。
法令科目で122点を取るには、択一式と多肢選択式だけで考えても184点満点中122点、つまり正答率66%程度で足切りクリアです。記述式で部分点を加算すれば、さらにハードルは下がります。
ただし、以下のケースでは法令科目の足切りに注意が必要です。
- 商法を完全に捨てた場合:商法20点が0点だと、残り224点中122点(55%)が必要
- 記述式が白紙の場合:記述式60点が0点だと、択一・多肢184点中122点(66%)が必要
- 民法が極端に苦手な場合:民法76点で20点以下だと厳しい
行政書士の勉強法で科目別の学習法を確認し、行政法と民法を重点的に学習すれば、法令科目の足切りで困ることはまずありません。
足切りを意識した学習時間の配分
足切りを回避しつつ合格点を取るための、学習時間の配分モデルを示します。
| 科目 | 配分 | 理由 | |------|------|------| | 行政法 | 30〜35% | 最大配点112点。ここが合否を決める | | 民法 | 25〜30% | 配点76点+記述式40点。深い理解が必要 | | 憲法 | 10% | 配点28点。判例中心で学習効率が良い | | 商法 | 5% | 配点20点。基本問題だけ対策 | | 基礎法学 | 3% | 配点8点。過去問で傾向を掴むのみ | | 一般知識 | 12〜15% | 足切り回避が最優先。文章理解を重点 | | 記述式対策 | 5〜10% | 法令科目と重複するが、書く練習は別途必要 |
行政書士の勉強時間の目安が600〜1,000時間とすると、一般知識には72〜150時間を確保する計算です。このうち文章理解に30時間、情報通信に20時間を投入すれば、足切りはまず回避できます。
足切りにかかった場合の翌年の対策
万が一足切りで不合格になった場合、翌年のリベンジ戦略を考えておきましょう。
一般知識で足切りにかかった場合:
- 文章理解の問題集を1冊追加購入し、毎日1問ずつ解く
- 個人情報保護法のテキストを精読する
- 新聞・ニュースの時事問題を毎日チェックする習慣をつける
法令科目で足切りにかかった場合:
- 基本的な理解が不足しているため、テキストの読み直しから再スタート
- 行政書士通信講座おすすめ比較を参考に、通信講座の受講を検討する
- 独学で限界を感じたら、プロの指導を受けることが最善の投資
いずれの場合も、翌年は足切り科目に重点配分した学習計画を立てることが重要です。
まとめ
行政書士試験の足切りは、法令科目122点以上・一般知識24点以上の2段階です。特に一般知識の足切りが要注意で、文章理解3問の全問正答と情報通信2〜3問の確保が回避の鍵です。足切りを甘く見ず、試験の初期段階から一般知識の対策を組み込んだ学習計画を立てましょう。