行政書士の記述式対策!得点を安定させる勉強法と解き方
行政書士試験の記述式問題は300点満点中60点を占める重要分野です。択一式だけでは合格が難しく、記述式で安定して40点以上を取れるかが合否を分けます。この記事では記述式の出題形式を確認したうえで、キーワード抽出法・答案構成のコツ・科目別の対策法を解説します。
行政書士試験の記述式問題とは?配点と出題形式
記述式問題は行政書士試験の後半に出題される3問の論述問題です。
出題内訳:
- 行政法から1問(20点)
- 民法から2問(各20点、計40点)
- 合計60点(300点満点の20%)
各問題は40字程度で解答する形式で、事例問題として出題されます。「〇〇の場合、Aはどのような主張をすべきか。40字程度で記述せよ」というパターンが典型です。
ポイントは3つあります。まず、記述式には部分点があること。キーワードが正しく含まれていれば、完璧な文章でなくても得点できます。次に、択一式の知識がそのまま活きること。新しい知識ではなく、択一式で学んだ条文知識を「書ける」ようにする訓練です。そして、記述式を「捨てる」のは危険だということ。択一式だけで180点を取るには正答率75%以上が必要ですが、記述式で40点取れれば択一式は140点(正答率58%)で済みます。
記述式が苦手な人の3つの共通点
記述式で点が取れない受験生には、共通するパターンがあります。
1. 条文のキーワードを正確に覚えていない 択一式では「なんとなく」の理解でも正答できますが、記述式では条文の正確な文言が求められます。たとえば「取消訴訟の出訴期間」を聞かれたとき、「処分があったことを知った日から6ヶ月以内」と正確に書けるかどうかが問われます。
2. 問題文の読み取りが甘い 記述式の問題文には解答のヒントが散りばめられています。「Aはどのような訴えを提起すべきか」なのか「Aはどのような主張をすべきか」なのかで、解答の方向性がまったく異なります。
3. 答案構成をせずにいきなり書き始める 40字という字数制限の中で必要なキーワードをすべて盛り込むには、書く前に構成を考える必要があります。いきなり書き始めると、字数オーバーや重要キーワードの書き漏れが発生します。
キーワード抽出法:記述式の得点力を上げる核心
記述式対策で最も重要なのは、「キーワード抽出法」です。
ステップ1:問題文から論点を特定する 問題文を読んだら、まず「何の論点が聞かれているか」を特定します。行政法なら「処分性」「原告適格」「出訴期間」など、民法なら「債務不履行」「不法行為」「物権変動」などの論点カテゴリです。
ステップ2:その論点の条文キーワードを列挙する 論点が特定できたら、関連する条文のキーワードを頭の中で列挙します。たとえば「取消訴訟の被告適格」なら、「処分をした行政庁」「当該行政庁の所属する国又は公共団体」がキーワードです。
ステップ3:キーワードを40字に組み立てる 列挙したキーワードを使って、40字程度の文章を組み立てます。このとき、問いかけの形式に合わせた書き方にすることが重要です。「〇〇を被告として」「〇〇の取消しを求める訴えを提起すべきである」のように、問いに正面から答える形にします。
この方法なら、模範解答を丸暗記する必要はありません。行政書士の勉強法の延長線上で、条文知識を「書ける」レベルまで引き上げるだけです。
行政法の記述式対策:頻出テーマと攻略法
行政法の記述式は1問20点で、以下のテーマが頻出です。
頻出テーマベスト5:
- 取消訴訟の要件(処分性・原告適格・被告適格・出訴期間)
- 義務付け訴訟・差止訴訟の要件
- 行政手続法の聴聞・弁明の機会の付与
- 行政不服審査法の審査請求
- 国家賠償法の要件
行政法の記述式で高得点を取るコツは、行政事件訴訟法と行政手続法の条文を正確に覚えることです。この2つの法律からの出題が圧倒的に多いため、条文の文言を正確に再現できるかどうかが勝負を分けます。
具体的な学習法としては、行政事件訴訟法の3条〜46条、行政手続法の全条文を音読し、キーワードをカード化して繰り返し確認する方法が効果的です。行政書士の試験科目で各科目の配点を確認したうえで、行政法に重点的に時間を配分しましょう。
民法の記述式対策:2問で40点を確保する戦略
民法は記述式2問で40点分あり、記述式全体の得点を左右する最重要科目です。
頻出テーマベスト5:
- 債務不履行と損害賠償(履行遅滞・履行不能の要件)
- 不法行為(一般不法行為・使用者責任・工作物責任)
- 物権変動と対抗要件(177条・178条)
- 抵当権の効力と実行
- 相続(法定相続分・遺留分・遺言)
民法の記述式では、事例のパターン認識能力が鍵になります。問題文の事実関係を読み取り、「これは94条2項類推適用の論点だ」「これは詐害行為取消権の問題だ」と瞬時に判断できるようになることが目標です。
学習法としては、過去問と予備校の記述式問題集を最低3周は解きましょう。1周目は模範解答を読んでキーワードを確認、2周目は自力で解いて模範解答と比較、3周目は時間を計って本番形式で解く、という3段階が効果的です。
記述式の実戦テクニック5つ
本番で使える実戦テクニックを5つ紹介します。
テクニック1:問題文の指示語に注目する 「どのような訴えを」「いかなる主張を」「どのような権利に基づいて」など、指示語が解答の方向性を決定します。指示語に下線を引く習慣をつけましょう。
テクニック2:字数は38〜42字を目標にする 「40字程度」と指定されている場合、38〜42字が安全圏です。35字以下だと必要なキーワードが欠けている可能性が高く、45字以上だと冗長な表現が含まれている可能性があります。
テクニック3:まず結論を書き、次に理由を書く 「AはBに対し、〇〇に基づき△△を請求できる」のように、結論(請求内容)を先に書くと字数配分がしやすくなります。
テクニック4:法律用語は正確に使う 「善意無過失の第三者」を「知らなかった人」と書くと減点対象です。法律用語は正確な表現を使いましょう。
テクニック5:下書きスペースを活用する 試験用紙の余白にキーワードをメモしてから書き始めることで、書き漏れや字数オーバーを防げます。
おすすめの記述式問題集と教材
記述式対策に使える教材を紹介します。
問題集:
- 合格革命 行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集(TAC出版)
- 出る順行政書士 記述式対策(LEC)
- うかる!行政書士 新・必修項目115 記述式対策(日経)
通信講座の記述式オプション: 各通信講座にも記述式に特化した対策コースがあります。行政書士通信講座おすすめ比較で紹介している講座の多くは、記述式対策を含んだカリキュラムを用意しています。
独学の場合は問題集を最低2冊用意し、異なる切り口の問題に慣れることが重要です。行政書士の過去問の使い方と併せて、記述式の過去問も必ず解いておきましょう。
まとめ
行政書士試験の記述式は60点配点の重要パートです。対策の核心は「キーワード抽出法」で、条文のキーワードを正確に覚え、40字に組み立てる訓練を繰り返すことが得点力に直結します。行政法は条文暗記、民法はパターン認識を重点的に鍛え、記述式で安定して40点以上を目指しましょう。